JZ
 このピッケルは個性の強いピッケルである。戦前のピッケルは、ステップカッティング機能を重視していたので戦後の物に比べてブレードが大きい傾向にあるが、このピッケルはその傾向が顕著に現れている。ヘッド部の写真で良く分かる通り、ブレード側に対してピック側が極端に小振りに出来ている。
 またこのピッケルは、スイス製であることは分かっているが作者不明である。銘は楕円が一般的なスイス製ピッケルとしては珍しい真円の縁取りにJZと打ってある。ただしJZではなくてaZと読のかも知れない。


 ヘッド長28.5p。