シェルパ(SHERPA、東京、1953〜1961頃 )
 
 1953(昭和28)年頃、アイスマンシップ及び当麻のピッケルを作っていた東村山市の森田直治に新たな依頼が来た。依頼主は上山運動具店の社長西上常吉だった。森田はかねてから懇意だった西上の依頼を受け入れシェルパ銘のピッケルを作り始めた。
 このピッケルは雑誌「ハイカー」1960年7月号の広告によれば材質はニッケルクロム鋼で、ヘッド長33cmの物も販売していたことが分かる。



SHERPA [群馬県榛名町、佐々木直氏所蔵]
 ヘッド長28.5cm、全長82.5cm、重量870g。フィンガーは155mmで3点留め。ケラ首が長く、ブレードは軽く湾曲している。ハーネスは両側からネジ止め。ヘッドの形状は当麻銘の物に似ている。
 銘は変形の楕円であるがこれはNとKを変形したように見える。Nは西上を、Kは上山を表していると推察できる。