エバニュー(EVERNEW)
 総合的な登山用品メーカ、エバニューは古くからアイゼンも作っていた。下に示した「南壁」の他にクロム・モリブデン鋼鍛造製で8本爪の「東壁」やステンレス鋼プレス製で10本爪の「北壁10」、同じく12本爪の「北壁12」等があった。


南壁
 切り抜き型8本爪のアイゼン。参考文献6-5によると材質は高炭素鋼となっている。1970〜80年代製造の物。前後のジョイント構造に特徴があり、単に差し込むだけになっている。銘はヒール・ピース側上面に漢字で「南壁」、ジョイント・バー下面に「EverNew」と打ってある。










モデルRCC(10本爪) [兵庫県明石市、木下一氏所蔵(写真提供)]
 RCCUの大江幸雄が設計し、鍛冶屋の田中隆行が製作していたモデルRCCアイゼンはモデルRCCピッケル同様にエバニューに生産移管された。エバニュー製になってからは改良が加えられ、@強度を増すためのV字形絞り込み個所の増加、A前後連結部の形状、Bアイゼンバンド引っ掛け部の形状、などに変化が見られる。これらの改良により重量も増加したようで片側520gある。連結部に打たれた番号はサイズであろう。