アイゼン (Crampons, Steig-eisen)

国名 (Country) メーカ名 (Maker)
スイス(Switzerland) フプアウフ (HUPFAUF)
オーストリア(Austria) スチュバイ (STUBAI)
フルプメス (FULPMES)
ラーリング (RALLING)
フランス(France) シモン (SIMOND)
シャルレ (CHARLET)
イタリア(Italy) グリベル (GRIVEL)
ドイツ(Germany) サレワ (SALEWA)
アメリカ(U.S.A.) SMC
日本(Japan) 山内 (YAMANOUCHI)
門田 (KADOTA)
タニ (TANI)
タカユキ (TAKAYUKI)
トップ (TOP)
エバニュー (EVERNEW)
ホープ (HOPE)

 アイゼンはドイツ語のシュタイク・アイゼン(Steig-eisen)を短縮した言い方である。シュタイクは坂や山道のことでありアイゼンは鉄(英語ではiron)のことである。
 靴の底という目立たない所に付ける道具のためかアイゼンは登山道具としては主役になりにくい道具の一つである。しかし本格的な雪山ではピッケルと並んで重要な道具である。
 このコーナーでは、そんなちょっと不遇な存在であるアイゼンのいくつかを紹介する。

 
[アイゼンの種類]
1.製造方法による分類
 (1)鍛造型;鍛造ピッケルと同様に鉄鋼の塊を高温で柔らかくし、ハンマーで叩いて型に仕上げる製造方法。長い歴史があったが今ではほとんどこの方法では作られていない。
 
 (2)切り抜き型;鋼板を切り抜いて作る方法。鍛造型のように肉を厚くできる長所がある。
 
 (3)プレス型;鋼板をプレスで加工した物。軽く自由なデザインにできる。現在市販されている物はほとんどこの方法で作られている。

2.考案者による分類
 鍛造型では考案者によってエッケンシュタイン型とホレショフスキー型とに分類できる。
 (1)エッケンシュタイン型;登山家であり技術者でもあったイギリス人、オスカー・エッケンシュタイン(Oskar Eckenstein,1859-1921)が図面を書いて鍛冶屋に作らせた物。堀田弘司著「山への挑戦−登山道具は語る−」(参考文献1-4)によるとエッケンシュタインはこのアイゼンをスイスの鍛冶屋フプアウフ(A.Hupfauf)に作らせた、とある。エッケンシュタインはフプアウフの他にもイタリアのグリベル(Grivel)にも作らせたらしい。またオーストリアのスチュバイ社(Stubai)でもEckensteinの刻印を打ったアイゼンを製造していた。

 (2)ホレショフスキー型;オーストリアの登山家アルフレット・ホレショフスキー(Alfred Horeshovski)が考案したアイゼン。マッターホルン北壁は1931年にドイツのシュミット兄弟によって初登攀されたが、ホレショフスキーはこれよりも以前(1923年)に北壁下部の登攀に成功した登山家であった。

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